私たちが海外のデザインされた家を目にするとき、その奇抜な外観に目を奪われがちです。
しかし、海外の家づくりが本当に大切にしているのは、デザインの華やかさではなく、「長く住む」「家族との時間を大切にする」「環境に適応する」といった、暮らしの質に根ざした明確な価値観なのです。
日本の住まいにおいては、デザインの流行を追うだけでなく、生活習慣や気候から導き出された「必然性」をデザインに取り入れる視点が不足しがちといえます。
そこで今回は、海外の家づくりが大切にする本質を学び、日本の住まいに取り入れるためのヒントをご紹介します。
奇抜な外観より「暮らしの質」!海外の家づくりが大切にする本質
海外の住宅デザインが多様である背景には、「長く住む」ことや「家族との時間を大切にする」といった、揺るぎない生活の価値観が存在します。デザインが奇抜に見える家も、実はその土地の気候や文化、そして人々の生活様式から導き出された必然的な形であることがほとんどです。
この視点は、単に「おしゃれな家」を建てるという発想から脱却し、私たちの生活習慣や日本の気候といった必然性をデザインの根底に据えることの重要性を示唆しています。形を真似るのではなく、そのデザインが持つ「暮らしの質を向上させる」という本質的なコンセプトを学ぶことが大切です。
【習慣別】QOLを向上させる海外デザインの具体例4選
海外の家づくりからは、私たちのQOL(生活の質)を向上させる具体的なデザインのヒントが得られます。ここでは、特に注目したい4つの習慣とデザインを紹介します。
一つ目は、家族のコミュニケーションを深める「広々リビング&オープンキッチン」です。欧米の家に見られる習慣ですが、LDKを家の中で最も広い空間とし、パーティーや家族の団らんの中心に位置づけます。特にオープンキッチンは、料理中でも家族や友人との会話が自然と生まれるため、料理をする人が孤立せず、
家族全員の心のつながりを促進します。子どもが宿題をする横で親が料理をするなど、日常の家族の交流がしやすくなるレイアウトは、共働き家庭にも適しているといえるでしょう。アイランド型やペニンシュラ型のキッチンは、キッチンを囲んでコミュニケーションが取れる形状として人気があり、ホームパーティーなどでもキッチンに立つ人が孤立しない工夫がされています。
二つ目は、「内開きドア」に学ぶ防犯と心理的安心感です。欧米で一般的な内開きドアは、不審者が侵入しようとした際に体がぶつかってドアが開きにくいという役割があり、防犯面で優れています。また、帰宅した際の心理的な安心感にもつながるでしょう。
三つ目は、メンテナンスと愛着の習慣「DIY・エイジング」です。欧米では自分で家を修理・塗装し、古さを「味わい」として楽しむ習慣があります。これは、長く住むための丈夫な素材選びと、手入れを楽しめる仕組みを設計に導入することの大切さを示しています。
四つ目は、外とつながる「セカンドリビング」です。ウッドデッキやカバードポーチを設け、リビングの延長として外で食事やくつろぎの時間を過ごす習慣は、家の中に自然を取り込み、開放的な空間利用のヒントとなります。
日本の住まいに「異文化の知恵」を取り入れるためのステップ
海外のデザインが持つ「暮らしの質」を向上させる知恵を、日本の住まいに柔軟に取り入れるためのステップを解説します。
まず、コンセプトを決めることが大切です。「北欧の断熱性」や「アメリカの開放感」など、どの国の価値観を最も取り入れたいのかを明確にしましょう。次に、日本の気候・法規との両立を考える必要があります。
海外の資材やデザインをそのまま導入するのではなく、日本の風土(高温多湿、地震)や建築基準法に適合させる工夫が必要です。高気密高断熱や防湿対策などを施すことが重要となります。
最後に、プロとの連携を意識しましょう。輸入住宅や海外デザインに詳しい建築家やリフォーム業者に相談することで、デザイン性と機能性を両立させることが可能になります。
まとめ
海外の家づくりは、奇抜な外観の裏に「長く住む」「家族とのつながり」といった明確な価値観が根付いています。
特にオープンキッチンは、家族の会話を増やし、心のつながりを促進するデザインとして注目されています。
日本の住まいに異文化の知恵を取り入れるためには、「広々リビング&オープンキッチン」といった具体的な習慣を参考にしつつ、日本の気候や法規に適した形でデザインと機能性を両立させることが必要です。



