最近、住宅市場で「平屋住宅」が再び注目を集めています。
シンプルで暮らしやすい住まい方が求められる中、平屋は若い世代からシニア世代まで幅広く支持されるようになりました。
ここでは、人気が高まっている理由や特徴、そして住む際の注意点をわかりやすく紹介します。
なぜ平屋住宅の人気が再燃しているのか
近年、平屋住宅の需要は大きく伸びています。
新築住宅における平屋の割合は2013年度の7.37％から2023年度には15.3％まで拡大し、10年間で約2倍になりました。戸数でも2012年の約3万戸から2022年には約5.7万戸へ増加しており、確実な成長が示されています。
また、ライフスタイルの変化が人気を後押ししています。コロナ禍を機に在宅ワークが定着したことで、都市部から郊外に移住し、広い土地で平屋を建てたいと考える人が増えました。
さらに、核家族やシニア夫婦、単身世帯など多様な暮らしに対応できる柔軟性も評価されています。
加えて、ミニマリスト志向の広がりも平屋人気を後押ししています。物を持たずにシンプルに暮らしたいという考え方に合致し、若い世代に選ばれる理由となっています。
従来は「高齢者向け」というイメージが強かったものの、デザイン性の高い平屋が増え、20〜30代にも新しい住まいとして受け入れられています。
平屋住宅の特徴とメリット
平屋の最大の特徴は、生活動線のシンプルさにあります。
すべての部屋がワンフロアでつながるため、洗濯や掃除の際に上下階を行き来する必要がなく、家事効率が高まります。毎日の移動距離が短縮されることで、快適な暮らしが実現しやすいのです。
さらに、庭との一体感を感じられるのも魅力です。中庭を設ける間取りにすれば、自然光や風を取り込みながら開放的な空間を楽しめます。
リビングを中心に設計することで、家族が自然に顔を合わせやすく、コミュニケーションが生まれやすい点も大きなメリットです。
耐震面でも安心感があります。建物の重心が低いため、地震時の揺れが小さく、安定性が高いとされています。
加えて、階段がないことは究極のバリアフリーにつながり、年齢を重ねても安心して住み続けられる住まいになるでしょう。
平屋住宅に住む際の注意点と検討ポイント
一方で、平屋には検討すべき点も存在します。
まず、2階建てと比べると基礎や屋根の面積が広くなるため、建築費用が割高になる傾向があります。ただし、形状をシンプルにするなどの工夫でコストを抑えることも可能です。
また、十分な延床面積を確保するには広い敷地が必要になります。建ぺい率や容積率などの法的制限もあるため、土地探しの段階から計画的に検討することが欠かせません。
さらに、防犯やプライバシー対策も重要です。すべての居住空間が1階にあるため外部からの視線が届きやすく、セキュリティ設備や目隠しの植栽を工夫する必要があります。
加えて、部屋数が多い場合は中央の部屋に光や風が届きにくくなるため、天窓や中庭を活用した設計が望ましいです。
実際に建てる前にはモデルハウスの見学が欠かせません。図面やCGだけでは伝わらない動線や広さの感覚を体験することで、理想の暮らしに近づけることができます。
まとめ
平屋住宅は、シンプルな暮らしを求める現代のライフスタイルに合った住まいです。
快適な動線や家族とのつながりやすさ、そして耐震性やバリアフリー性といった多くのメリットがあります。
ただし、建築コストや土地条件、防犯面などの注意点を踏まえて慎重に計画することが大切です。
